景観市民ネットから
景観市民ネットから : 景観市民ネット大西副代表が調布市議会で陳情した「核兵器禁止条約に議会の賛同を求める陳情」が採択されました
投稿者 : shozo 投稿日時: 2018-04-25 13:31:29 (1878 ヒット)

■陳情書

核兵器禁止条約に議会の賛同を求める陳情

趣旨
昨年7月7日、国連総会で核兵器禁止条約が採択されました。人道主義と人権、人間の尊厳が基本になっています。12月、この動きを推進してきたICANがノーベル平和賞を受賞しました。
一市民として自分に何ができるかを考えました。まず条約を日本語と英語で読んでみました。日本語では読み過ごしてしまうことばが英語では明確にイメージできることに気づきました。例えば次のようです。
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前文の11パラグラフ「核兵器のいかなる使用も人道主義の諸原則及び公共の良心に反するであろう」の反するは英語ではbe abhorrentで意味はホラーを呼び起こすであろう、と非常に強い、感情的にも許しがたいとの意味が含まれます。
また条文第1条「核兵器その他の核爆発装置を開発し、実験し、生産し、製造し、その他の方法によって取得し、保有し、又は貯蔵すること」の生産し、製造しは日本語では生産と製造の違いが不明確で、どちらも作る、の意味。英語では生産はproduceで新しく作り出す意味が明確。製造はmanufactureとなっていてただ作る意味。また取得し、の acquireは、自分が望んで、努力して手に入れる意味がはっきり出てきます。このようなニュアンスが日本語訳では伝わりにくくなっています。
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2月10日、30年ぶりに広島平和記念資料館を訪れました。まず2階に行くように案内され、そこでは原爆投下前と投下後の爆心地の全容がパノラマで見えるように工夫されていました。さらに戦後の核軍拡と核軍縮の歩みが電子データで見ることができました。知識が増え理性で理解できる展示です。
そのあと1階へ降りていきました。被爆者の遺品が展示されていました。30年前とは感じるものが違いました。被爆した三輪車とその子供の話がメモされていました。こどもは自宅の庭に40年、三輪車と一緒に埋葬されていたようです。墓に移される際に三輪車は資料館に寄贈されたと。さらに一枚の写真に目が吸い付けられました。女学生です。顔と上半身が黒く焼け焦げた写真です。仮に命が助かっても生きていくことができないような火傷で、こころが重くなりました。
地下1階に下りました。オバマ大統領の折ヅルもありましたが、わたしのこころを強く打ったのは、亡くなった子供を菰で巻いて背負ったお父さんが「熱かったね、苦しかったね、辛かったね、一緒にお父さんと家に帰ろうね」と、背中のこどもに語り掛けながら焼野原を家路に向かおうとする絵でした。この絵はご自身も被爆された方が実際に見てこられた光景を絵にされたもののようです。
1階の遺品と地下の絵はこころを揺さぶります。わたしは、市民はこのこころの次元で核兵器の問題を考えなければいけないとおもっています。単に知識と理性だけでは甲論乙駁で論争はできても行動の本当の力にはなり得ないからです。
日本人の被爆のこのような体験、さらには核実験による南太平洋諸島、アメリカ、旧ソビエトの実験場の被爆者たちの体験に基づいた、国際人道法と世界人権法、人間の尊厳の見地から、24パラグラフの前文と20条の条文から国連の核兵器禁止条約は出来ています。
調布市議会の議員各位が、この条文をお読みになり自分はこの条約に賛成か反対かを、反対ならなぜ反対かの理由を明示してこの条約に対する意思を明確に示していただきたく陳情いたします。

平成30年2月20日
調布市議会議長 田中久和様
陳情者
調布市国領町4-35-2-711
大西 信也

■陳情審査結果報告書



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